多くの方は普段何気なく、腰が痛いと腰をマッサージしてしまうのではないでしょうか?横になってマッサージされると痛みが一時的に緩和されたような気がするものです。
しかし腰痛で来院される患者様には、実は腰が痛みの原因ではない場合があります。このページでは腰痛の原因が腰ではない場合について、治療現場の例をご紹介します。
目次
- ハムストリングが原因の腰痛
- 骨盤の位置が原因の腰痛
- 肩甲骨の位置が原因の腰痛
ハムストリングが原因の腰痛とは
当院の治療の現場で、腰が腰痛の原因ではないケースとして一番多いのが固くなりすぎた太もも裏のハムストリングです。これは長時間座っている間に、太もも裏側から外側の筋肉が固くなり骨盤が引っ張られて後傾していくことで起きる腰痛です。

ハムストリングの硬さのチェック
椅子に浅く座り、片足をできるだけ伸ばし、踵を床につけ、つま先を上に持ち上げ、上半身を倒していきます。90度まで倒せなかったら、要注意!かなり筋肉が固くなっています。

時間をきめて歩いたり、ストレッチして予防することをオススメします。ハムストリングの硬さが酷くなると坐骨神経痛の原因にもなりますので、早めの対応が望ましいです。
ハムストリングに効果的なストレッチ
椅子に浅く座り、片足をできるだけ伸ばし、踵を床につけ、つま先を上に持ち上げ、上半身を倒していきます。心地よいところで20秒止め、反対足も行います。2−3回繰り返します。

骨盤の位置が原因の腰痛とは
次に多いのが立ち姿勢が悪く、骨盤が傾いているために起こる腰痛です。骨盤が後傾のまま荷物を急に持ってギックリ腰になったりします。一方、骨盤の前傾が強くて反り腰のまま歩いていると、外反母趾が進み、足のバランスが悪くなり、膝痛と腰痛に発展するケースがあります。
腰に負担を感じる程度であればセルフケアでぎっくり腰などの怪我の予防になります。
そのためには、まずご自身の骨盤の傾きを知る必要があります。ご家庭でできるチェック方法をご紹介しますすので、参考にしてください。
骨盤の傾きをチェック
壁に頭と踵を付けえ立ったまま、腰の後ろにできる隙間で傾きを確認できます。
- 壁に背を向けてできるだけ近づきます。
- 手の指の第一関節を曲げて猫の手のような形にして、おしりの少し上、腰のところに手を入れます。
図のように腰に手が入ってかなり余裕がある場合は反り腰(前傾)になります。

骨盤の傾きのよりストレッチを選択
骨盤の傾きに合ったストレッチを行わないと腰痛が悪化する場合があるので気をつけましょう。
骨盤後傾は前述の「ハムストリングのストレッチ」が効果的。ハムストリングや大殿筋が固くなっていると骨盤が後傾してしまうのです。
骨盤前傾は「前太もものストレッチ」が効果的。前太ももが硬くなっていると骨盤を前に倒してしまうからです。

こちらの写真の矢印の方向に足を引き、丸の部分が伸ばす。
6秒2セット繰り返します。
肩甲骨の位置が原因の腰痛とは
意外かもしれませんが肩甲骨の左右の位置が悪くて腰痛になっている人もいます。
例えば、左の肩甲骨の位置が外転(外に開いたまま)で動きが出ない状態で日常の動作(洗濯やお買物)を続けて腰痛になった方もいます。これは左の肩甲骨が外側に引っ張って左の腰痛が出るケースです。
肩甲骨の位置をチェック
腰の片方だけが重く感じている場合は、肩甲骨の位置が原因の可能性があります。ぜひご自分の肩甲骨の位置を確認し、予防のためにストレッチを試してください。お風呂に入る前などは肩甲骨の位置も自分で確認することをオススメします。
どちらかの肩甲骨の位置が外に開いていたり、高さの違いがある場合は要注意です。

肩甲骨のストレッチ
肩甲骨周辺の筋肉をほぐすことで、位置の偏りにくくなります。すでに腰痛がある場合は、このストレッチではほぐしきれないかもしれません。
1)立つあるいは座って姿勢を正す。

2)両肘を横から方より少し上に挙げる。

3)両肘の高さを保ったまま後ろに5秒かけて引く。

4)肩甲骨を寄せたまま力を抜き下に降ろす。

このページでは腰を触らずに痛みが緩和できる方法をご紹介しました。ぜひ参考にしてください。腰痛に関するお悩みがあればいつでも当院にご相談ください。